2014年1月20日月曜日

#31 氷瀑求めて六甲山へ

2014.1.11
みなさん新年あけました。おめでとうございます。昨年の新年の抱負で始めたLanternはおかげさまで2年目を迎えることが出来ました。相変わらずの更新の遅さですが、ネタは溜まっております。今年もボチボチ頑張って行きますので、ご愛読のほど宜しくお願いします。

先日の成人式の3連休。天気予報では今シーズン一の冷え込みとのこと。そこで長年行きたいと思っていた六甲山の氷瀑(凍った滝)を嫁のトマトと一緒に見に行ってきました。コースは東お多福山-七曲り-一軒茶屋-有馬魚屋道経由で白石谷を下って紅葉谷出合へ。そこから七曲滝&百間滝をぐるっとまわって有馬温泉を目指します。通常氷瀑を見に行く場合、有馬温泉スタートの、有馬温泉戻りが一般的ですが、お正月ですっかり鈍った足腰と腹回りを苛めてやろうということで敢えての縦走スタイルを選択しました。

行く前にそれなりに情報収集したけど、どうやら白石谷は上級者コースとのことで初心者お断りらしい。確かに山と高原地図で調べても赤の破線(難路)になっている。昔の僕ならビビッてやめるところだが、今年の俺はちょっと違う。登山歴も4年に突入し、少し心の余裕が出てきたのだろうか、それとも単たる自意識過剰か。なんだかやれそうな気がする。今の経験値&装備ならこのダンジョンを必ずクリアーできるはずだ!

で、問題は相方のトマト。彼女は天性の脚力を持っているので、富士山なんかでも息を切らさずに登ったりする実力の持ち主なのだが、なんせ登山自体に関して関心が薄い。通常、地図も事前に見ないし、家を出るまで行先を知らないこともしばしば。基本僕の後をついてくるだけだ。それに装備なんかも無関心。こっちが心配になって色々買い与えたりしている始末(それを口実に僕が新しい装備に買い替えたりもしてますが…)。2013年後半は一人でポンポン山なんかに登ってせっせとレベルを上げていた僕は、少々難しいコースに挑戦してみたいけど「上級者コース」なんて言ったらトマトに反対されるんちゃうやろか…。ここはあんまり難しいということを強調しないで、直前まで黙ってよっと☆

さて、JR芦屋駅から阪急バス80系統(若しくは81系統)に乗って、東お多福山登山口で下車します。最初は駅から登山口まで歩こうかと思ったけど、やめて正解。かなり距離があります。ここは迷わずバスに乗りましょう。ここで降りずに80系統バスに乗り続けると、有馬温泉まで行けます。 AM 9:00登山口出発。


 登山口のバス停からアスファルト道を歩くとものすごく分かりやすい道案内が出現。
案内通りに右に進む。

 しばらく行くとまた案内表示が出現。これを左にいくといよいよ山道が現れる。

 お多福山はなだらかでウォーミングアップにはもってこい。
登り始めて30分もしないうちに頂上が見えてきた。

 AM 10:00 東お多福山頂上到着。
広々と開けていて気持ちが良い。 

ここで左に行くと雨ヶ峠に行きます。
僕たちは右に。ドビワリ峠を目指します。
それにしてもすげー難しい漢字。

いま思うと全行程で、ここらへん(東お多福山北川-七曲り)が一番寒かった。
ところどころに雪が見え始めるけど、ここではアイゼンは不要です。 

これまた立派な霜柱があちらこちらにあります。
ええ、勿論踏んづけてやりましたよ。
だってサクサクしてて気持ちいいですから。

 ここがドビワリ峠?道案内にしたがって左に曲がります。

10分くらい直進すると次の案内が出現。
右に曲がって七曲り方向へ。

橋にはうっすら雪が積もってる。
こういう所が滑りやすいのよね。

登山始め立ての頃はしんどかった七曲りもいまはへっちゃら。
なんなく一軒茶屋に到着。

本日のお昼はこちら一軒茶屋で。
今まで通り過ぎることは多々あったけど改めて食事するのは初めて。
なんや今日はえらいガラガラ。

夫婦そろってきつねうどんを食べる。
いやー、あったかい食べ物は冷えた体に嬉しいね。

いよいよ折り返し。本日の核心部分近づきます。
六甲山頂上には立ち寄らず、魚屋道へ。

魚屋道を少し行くと、西に行く小道を探さないと行けないが少々分かりにくかったが、吉高神社の案内を左に入る。トマトの後ろにある細い案内が目印。ここいらへんで、道がカチカチに凍っていたのでアイゼンを装着。アイゼンは持ってたけど初装着のトマトさん。あなた、それぐらい予習してこんとダメよ・・・。

雪の上に、動物の足跡発見!
うさぎかしらん。テンション上がるわ。

吉高神社から白石谷へ向かう登山道。本当に見つけにくい。
写真では少し分かりにくいですが、沢になってました。
微妙やけど、谷に向かうから沢づたいで正解なんでしょ。

疑心暗鬼も5分もすれば、道が出現。
後ろから谷に向かうベテランさんも来たので、念のために確認。
「こっちであってるよ。この道初めて?めちゃ楽しいよ!」
とのお言葉。こりゃ楽しみだ。

歩きやすい道やけど、幅が狭いです。

それに熊笹が道を覆う。
夏場やったらこの道発見できたやろか。
ストックさばきに気をつける。

ハッキリ言って道荒れてました。土砂崩れで道が流されているところもしばしば。
アイゼンで地肌が露わになっているところを歩くけど、やっぱり歩きずらい。

うーん、ここアイゼンつけて渡るの?デカイ岩がむき出しやし危ないな。
面倒くさいけど、ここでアイゼンを外そう。やっぱり手間より安全第一ですよ。

何とか川沿いに到着。後は川沿いに歩いたら滝が出現するはずだ!

防砂ダムを越えるとチョット秘境ぽっくなってきた。
トマトの口から弱音が出てくるんではなかろうか。
ちょっと心配だ。

アイゼンを外すのは面倒くさかったけど、
雪が積もってなかって本当に良かった。
何気に危ないところが出現する。

そしてここが本日のハイライト!懸垂下降!
こんなんやったことないで・・・。
下から写真撮ればよかったけど、3〜4m位あります。
落ちたらタダでは済まんな。

男らしく先陣を志願するジャックランタン。「ちゃんと写真撮ってや」とカメラをトマトに渡し、いざ下降開始!登りより、降りる方が難しいって本当ですな。足場が見えません。しかも所々足場が凍っていて死のトラップが仕掛けられています。完全に顔から笑顔が消えたよ。ドキドキしながら、なんとか下まで降りることができたが、次はトマトの番だ。やべーな、こりゃ。泣き言がでるぞ。「降りれへん!」とかゴネ出したらどうしょうと思ってたら、予想外に何も言わず降り出したトマト。取りあえず、下からアドバイスを出さねば。

崖下にて
俺 :「あれ?怒ってないの?」
トマト :「なんで?」
俺 :「 いや、こんな怖いの(垂直下降)聞いてへんで!って怒るかな思ったんやけど。」
トマト :「 いや、これくらいの高さやったら落ちても死なへんかなと思って。」
俺 : ・・・
トマト :「大したことなかったやん!」
俺 : (ギャフン!)

いや、打ち所悪かったら死ぬよ!楽勝で足折るくらいの高さやで!いや〜、変に度胸があるというか、肝が据わっているというか。まるで一人騒いでた俺がアホ見たいやん。まあ、頼もしい限りですよ。今回も潜在能力の高さを発揮してくれましたね(むしろそれだけで登山してる気がするけど)。

次の難関はここ。沢を下るんですけど、見えるでしょうか。
ガイドのロープが完全に氷の中にあって掴めません。

ここでもぶつくさ言わず降りるトマトさん。
大したもんだ。

なんとか最初の滝が出現。白龍滝。残念ながら部分的にしか凍ってませんでした。そして本当に残念だったのが、滝の真横でメシを食っている男性2人組がおる!道すがら漂っていた美味しそうな匂いの主はこの人たちか。折角の記念撮影が台無しだ。うーん、でも別に彼ら悪いことやってる訳じゃないもんな。むしろ、俺もあそこでメシ食えるんやったら、食いたいよ。誰かのブログでみた百間滝のアイスクライマーの話を思い出しました。別にアイスクライミング禁止されてる訳じゃないけど、写真撮影目当て&観光目当てで来てる人たちにとったら、アイスクライマーは邪魔な存在という話なんだけど、それ言うたら関西でアイスクライミングするところなくなるやん。立場が変われば見方が変わりますが、まあお互いを尊重するしかないよね。


ところで、ここにくるまでに大安相滝を見逃していることに気付く。
なんで沢歩いてて滝を見逃すんだろうか。さっぱり分からん。
地図を広げて現在地を確認。
お気に入りの写真とれだけど、やっぱりあの人達邪魔や・・・。

ますます秘境ぽっくなって参りました。


この奥にラスボスが待っているのか、ってな展開


倒木のトンネルをくぐる。結構最近倒れたんやろか。

秘境からの生還。結局、白石滝も分からずじまい。
本当にどうなってんだこりゃ。
こうなったら本命の百間滝と七曲滝に期待するしか無い!



やっと紅葉谷出合に到着。いよいよ本丸七曲滝に向かうぞ!と思ったが、ここで遂にトマトが「もう今日はこれでいいやん」と、まさかの泣き言。これからが本命の滝やったのに。まあ、日の入り時間、有馬温泉からの最終バスの時間&温泉タイムを鑑みたら、確かに時間切れな気もする。あー、行きたいな~、でも有馬でゆっくり温泉入ってビールも楽しみたいな~。…。散々葛藤しましたが、今日はここでギブアップ。温泉とビールを優先します。(*参考までに言いますと、一軒茶屋からここまで2時間30分ほどかかりました。)



ギブアップとは言うたもののやっぱりここまで来たら七曲滝&百間滝に行きたかった。
ロープウェー駅まで下りてきたけど後ろ髪引かれる思い。ギリギリ行けたんちゃうやろか・・・




ロープウェー駅近くの駐車場にあったパン屋さん。
お腹が減ったので買い食いします。

有馬温泉街にいた猫。
犬ぐらいのサイズがあった。かわいいな~。

本日のお目当ての一つモンベル!ではなくて・・・

本当のお目当てはモンベルが経営しているすぐ横のレストラン グリル六甲とモーゲンロート。グリル六甲はその名の通りレストランで、モーゲンロートは素泊まり専門宿。2人部屋で1人6000円とのこと。今までの六甲登山は日帰り前提やったけど、これくらいの料金やったら登山後時間を気にせず温泉街を満喫して、一泊して帰るなんて遊び方も出来るんでないの。しかも、宿代に外湯チケットもついてるなんて本当に気が利いてる。春先に友達を引き連れて是非利用してみよう。場所は銀の湯の目の前。まず中に入る前に、ひとっ風呂浴びて来るか。



登山→温泉→生ビールのコンビネーションは無敵のコンボだ!
本日はこれにて終了。
ハイカーセットなるビール&おつまみセット(1000円)もありました。


いや~、新年一発目からだらだらと長編ブログになってしまいました。滝は殆ど見逃したけど、すごく充実した一日でした。おかげでだいぶ写真間引いたんですけど、それでもこんだけ長くなってしまった。今回のコースは緩急ありで楽しかったのですが、七曲滝まで行くのは少々欲張りすぎだったのかもしれません。次回は無理せずに、有馬スタートで挑戦してみるかな。そんなこんなで、今年もランタン応援よろしくお願いします☆